クループ症候群

クループ症候群とは

原因

主因はウイルスで、パラインフルエンザのほか、インフルエンザ、RS、アデノウイルス等が関与します。
まれに細菌感染、アレルギー、異物吸入が原因となることがあります。

症状

初期は風邪様の鼻水、発熱、軽い咳から始まり、次第に犬吠様咳嗽、吸気性喘鳴、嗄声が目立ちます。
重症では胸の陥没やチアノーゼを伴う呼吸困難を来します。晩秋～冬の乾燥期や、夏季の冷房環境でも発生しやすいです。

診断

特徴的な咳と喘鳴、病歴で概ね診断します。必要に応じてX線で尖塔徴候（せんとうちょうこう）や酸素飽和度を評価します。

治療

軽症は自宅での安静、水分補給、加湿（加湿器、温かいシャワー蒸気）で改善します。発熱には解熱剤（アセトアミノフェン等）を医師の指示で使用します。

中等症～重症ではステロイド（デキサメタゾン、プレドニゾロン）で気道炎症を軽減し、重症ではネブライザーによるアドレナリン吸入、低酸素時は酸素投与を行います。重症例では、まれに気管内挿管が必要です。

注意点・予防・予後

呼吸が非常に苦しい、チアノーゼ、意識障害等の急激な悪化があれば直ちに救急受診してください。細菌性気管炎や異物吸入等の重篤疾患の除外も重要です。

予防は手洗い、マスク、感染児との接触回避、推奨ワクチン（インフルエンザ等）の接種です。多くは3～7日で自然軽快し、適切な治療で良好に回復します。